Loading

BLOG

フェルナンブコ材の規制について-2

フェルナンブコ材の規制についてのその後。

2022年11月末に開かれたワシントン条約に関する国際会議でのフェルナンブコ材に関する提案を受けた改訂により、ブラジルからフェルナンブコ(材料および製品)を輸出する際にはCITES許可書が必要となりました。

それ以降、厳しい規制により低価格帯弓の重要なラインナップを形成していたブラジル製フェルナンブコ弓の日本への輸入はまったくありません。
既に輸入済だったものが市場に残るのみとなっています。
ブラジル政府は資源保護を目的として厳格に規制をしており、今後100年は許可を出さないと言ったとか言わないとか…。

生活がかかるブラジルのメーカーたちはあらゆる模索をして、フェルナンブコ弓については言語が同じポルトガルに移住してヨーロッパに残る材料を仕入れて製作を行い、輸出する流れを作りました。
ただ、それらはあらゆるコストの増大により、以前とは比べ物にならないほどの価格となりました。

一方で低価格帯の需要を満たす存在として代替材IPEの導入が進みました。
現在ブラジルから輸出入されているブラジル製と言われる弓は基本的にすべてIPE材となります。

このドラスティックな変更に、アジア圏、特に日本市場においてはまだまだ抵抗がありますが、
現実的な問題がある中で、普及活動もあり徐々に受け入れられている状況です。
特にヨーロッパでは抵抗なく受け入れられているという話も聞きます。

そもそも弓の歴史を辿ると、フェルナンブコ材が一般的になる前はアイアンウッドやビーウッドなど多種多様なものが使われていましたので、
そうした時代に回帰していくのでしょうか…。

ヨーロッパメーカーとなると、長年の歴史による元々の大量備蓄を背景に現地の物価高の影響程度でフェルナンブコ弓が出てくるところもありますが、
有名メーカーや高価格帯でも抜本的な解決の糸口が無い以上はと完全にIPE材導入に踏み切ったところもあります。

IPE材はよく吟味された材料であれば実用としては十分なクオリティですが、
独特の柔らかさが弾き味にも音色にもあり、そこをどう感じるかで好みがある印象です。

積極的に導入しているお店とそうでないお店があるようですが、現状のKAEDEは後者です。
IPE材が悪いからという話ではまったくありませんが、この状況を見越して良いものがあれば積極的に仕入れることを続けていたため、まだまだフェルナンブコ弓でご紹介できる弓があるということも理由です。
いくつかIPE材の弓もございますのでご興味のある方は同価格帯で弾き比べていただくのも良いかと思います。
今後の状況ではIPE材のみのご案内になってくるかと思いますので、良いフェルナンブコ材弓をお探しの方は是非お早目にご相談ください。

KAEDE STRINGS

フェルナンブコ材の規制について-1

Joseph Kantuscher入荷

PAGE TOP